2012年 10月 07日 ( 1 )

 

バラナシにドキドキ

予約した宿「Suraj Guest House 」スラジゲストハウスは、リキシャのおっちゃんが先導してくれなかったら絶対たどり着けないような場所にありました。

迷ったら一生抜けられないんじゃないか、と思うような複雑な細い路地を抜けるように歩いていきます。
朝早い時間に到着する列車でよかった、とあとで思いました。
人、バイク、自転車の交通量が多すぎて昼間は歩くのが難しい。前にも後ろにもリュックしょってたらほんとに大変。

「ちゃんと宿に連れて行ってくれるんだろうか」
「おっちゃんがコミッションもらえる変な宿に連れて行かれるんちゃうか」
最初っから疑う気持ちしかないけど、でもおっちゃんを信じてついて行くしかない。


だって、もう来た道戻ることは不可能。迷子になる。



ようやく到着した宿の入り口は、ちょっと汚い、でもトリップアドバイザーやホテル予約サイトアゴダに載ってたものと同じでした。

間違いないみたい。
でも・・・と半信半疑で二階へ上がっていくと・・・
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おぉぉ~~~~~~なかなか可愛い~~~~。



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ちょっと歩いただけでも町並みや道がひどく汚いので「ここはバラナシちゃう!癒しの空間じゃ。ここから一歩も出れんかもしれん」と最初から大騒ぎ。


3階の屋上を案内してもらうと、目の前に流れるガンジス川を指差して
「あのあたりから朝日がのぼるよ」と教えてもらいました。
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サルはいるのか?と夫がきくと

「朝はいっぱいいる。ときどきデンジャラスだ」とオーナー。

オーノー・・・
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予約したのは屋上にすぐ出られる3階のデラックスルーム。もちろんエアコン付き。
確かに悪くなかったけど、部屋はありんこだらけ。
油断してたらバッグにいっぱい進入してきます。
ぬるいお湯はほんのちょっと。ほとんど水シャワー。
宿のせいではないんだけどしょっちゅう停電するのでしょっちゅうエアコンが切れます。
部屋の電気とファンは自家発電(?)で補えるようで、助かりました。
インドは全体的に停電がひどかったけど、バラナシは格別だった気がします。


家族経営らしく、親戚(?)らしき男の子が観光案内をしてくれるというけど、値段に納得がいかなかったことと、ガイドしてもらうには声が小さすぎるので断りました。
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夕方、宿のすぐ斜め前が火葬場そ見に行きました。

暗くなったら自力で宿に帰れるか心配しながらも川を目指して細い路地を進みます。

川に向かって階段で降りていくことのできるガートらしきものが見えてきました。ガートは沐浴場だと思っていたけど、こんなところで沐浴できるの?と思うような場所。
船着場だし、川は濁っているし。まぁガンジス川は全部濁ってるんだけど。




左端に見える階段みたいなのがガート。
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日も暮れてくるしこれ以上進むのを不安に思っていると、子供をだっこした男の人が話しかけてきました。

火葬場を見るなら案内する、というのです。
これはよく聞く「高額な料金をあとで請求するなどの怪しいガイド」ではないか、と夫と警戒。


あなたのガイドにはお金がいくら必要ですか?と聞くと
「私はお金はいらない。お金があるなら貧しい人にあげてほしい」と男性。


うーーーーん。悩んだ夫、


「アイ トラスト ユー」。
信じることにしました。



山積みの木材の間を抜けていくと、小さな細長い塔があります。
暗い階段を登って上へ行くんだと言います。
(さっきまで抱っこしてた赤ちゃんは誰かに預けたみたい・・・もしや赤ちゃん抱っこして良い人そうに見える大作戦!?)


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ちょっと値段高くても声が小さくても、宿のガイドの男の子に頼んだら良かったかな・・・。

ガイドの男性が「大丈夫」というので勇気を出してついて行きました。

本当にただのコンクリートの建物で、窓やドアがある場所はただくり貫いてあるというだけ。

二階に上がると電気もない暗い地面の上に、布を巻いて寝転んでいる黒い人影があります。


「ここから火葬場が見えます」とガイドの男性。
窓へ近づくと、この建物より少し低い隣の建物の屋上には円形にくり貫かれていてそこから炎が上がっていました。


次々と薪が投げ込まれ、その炎の周りを囲むように男性の姿がたくさん見えました。





ここには女性は来ることができない。
ずっと昔、夫が焼かれた火葬場の火のなかに身を投げた妻がいた。
それから女性は火葬場には入ることができなくなった。
ここでは涙を流してはいけない。
ここに集まっている男性も、誰も泣いていない。
涙が落ちると、焼かれている人の魂が登っていけない。
ここにはインド中から亡くなった人が集まってくる。
家族がいなくてあとは死を待っている人はこの裏のホスピスにいる。




途中で、オレンジ色の布をのせた竹で作った担架がそのまま川のなかへ浸けられていました。
オレンジの布で包まれているのは女性。
白い布で包まれているのは男性。


死んだ人をガンジスの水で清めています。
それから燃やします。
ここにある薪は遠くのジャングルから運ばれてくる特別の薪です。
遺体を燃やしても臭いがでないのです。
人を燃やすのにはたくさんの薪が必要です。
1キロの薪はいくらだと思う?
250ルピー(380円)くらいだよ。
1人の人を燃やすのにどれくらいの薪が必要だと思う?
何十キロも必要なんだよ。
ホスピスにいる人たちは薪を買うのはとても大変なことなんだ。




あーーーー、きた。
薪代を払うんだ。
そうか、そういうことか。




死んでも燃やしてもらったら魂はまた戻ることができます。
あなたのカルマによって魂はまた戻ることができます。
もし誰かのために何かをしたらそのカルマで魂がかわるのです。




カルマ、カルマと言われてなんだか何かをしなければいけないような気持ちにだんだんなっていきました。




薪代、きっと払ったほうが良いな。
誰かのためになるんだろうな。
どこで誰に払うんだろう。


火葬場を見ながら話しを聞いて建物を出ようと振り返ったら、出入り口にいた女性が1人増えている・・・。


ガイドの男性が


「さぁこの人たちに祈ってもらってください」


と女性に触れてもらうように言ってきました。


物売りの人に腕を触られても「ドンタッチ!」というほど潔癖な夫。


「さぁどうぞ、あなたのカルマのために」



触れられるのは断るけど、お布施はしようとポケットから100ルピー(150円)出して渡しました。


受け取ったおばあちゃん、すごい勢いでお札を透かして確認しはじめました。


そのお札を見たガイドの男性は
「ぜんぜん足りません。5000ルピー必要です」。


え!?
5000ルピー・・・(7500円)。





薪を買うにはお金がもっともっと必要です、とガイドの男性。

「それはムリです」と断る。


でも彼らには家族もなくてあとは死を待つだけなんです。
たくさんこんな人たちがいるんです。

「これ以上出すことはできません」とさらに断る。



すると


では奥さんも直接お金を渡してください。
奥さんもカルマが必要です。
カルマは1人ずつです


私もお金を渡さないとこの建物から出られそうにありません。
夫がポケットから出した100ルピー、私の手からもう1人のおばあさんに渡しました。


受け取ったおばあちゃんは、やっぱりすごいスピードでお札を確認。



お金を渡しても良いと思っていたけど、こういう形で出すことになるというのは予想外。

建物を出たところで夫が

「お金お金って、あんた!話しが違うじゃないか!」

とガイドの男性にグイグイ詰め寄りました。

「もう結構だ。あんたのことを妻が怖がっている」

別にそう怖がってないけど。

「ほらみろ!こんなに泣きそうになっている!」

大げさやけど、汗をふくついでにちょっとハンカチで顔を隠してみたりして。



「とにかくもうお金を一銭も払うつもりはない」と夫が言うと
ガイドの男性もわかったわかった、と納得の様子。

それからもしばらく男は道を先導。



夫があなたの時間は大丈夫ですか?と聞くとようやく
私はここまでです」と突然ガイド終了。



ハシシやいろんなものを売ってくる人がいるけれども決して買わないように

と私たちに忠告をしてメインガートへ行く道を教えてくれてから男性は帰っていきました。



あーーーーやれやれ。
これがウワサガイド詐欺か・・・。



帰宅してから夫が調べてみると
お金の支払いを断ったら別のところから男性が数人出てきて取り囲まれて払わないと警察を呼ぶというような事態になったり、門を閉められて閉じ込められるというちょっと怖いことになったり、最後は数百ドルという大金を支払わされたということもあるようです。


「あの人は、素人だったんかもしれんな」と夫。

本当に運がよかっただけかもしれません。

バラナシ、怖いところです。
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by miyamotosachiko | 2012-10-07 09:12 | 2012年インド